食を通じて淡路島の文化や風土を知ってほしい。
ダイニング 海里 UMISATOではそうした願いを込めて、
島の食にまつわる物語に触れるダイニングを目指し、
地元の食材を使った料理を「南あわじキュイジーヌ」として
提供しています。燦燦と輝く太陽の光を浴びて育った島野菜、
近隣の漁港に水揚げされる新鮮な魚介、神戸ビーフの
素牛ともなる淡路和牛など。食材の旬の巡りあわせとともに、
島の美味しいものをお愉しみください。
四季を通じて旬の食材に出会えるのも、食料自給率が100%を超える淡路島ならでは。今では島を飛び出し広く知られる鯛や鱧などの魚介類や、肥沃な大地で甘さたっぷりに育った玉ねぎのほか、新しく島のブランドに仲間入りした食材など、御食国(みけつくに)・淡路島として今なお島に残る風土や文化を基盤に、生産者の方々の豊かな経験や確かな技術が地産の恵みを育み続けています。
南あわじの海は魚介類の宝庫で四季折々の海の幸に恵まれています。鳴門海峡の早い潮流に揉まれた鯛や若布、東側の紀伊水道の近海では鱧や蛸、西側の播磨灘では鰆や砂地を好むいかなごなどが水揚げされています。また、福良湾では淡路島3年とらふぐ、淡路島サクラマスなどの養殖もさかんで、島のブランド食材として人気を集めています。ダイニング 海里ではその時々の旬を皆様にお愉しみ頂きます。
食料自給率100%を超える淡路島。そんな島の旬が集まる、兵庫県最大級の産地直売所「美菜恋来屋(みなこいこいや)」、地元の物しか扱わない「福良マルシェ」など、南あわじ市だけに限らず島内各所に産地直売所があり、旅行者はもちろん地元の方々の目利きにかなう一級品が揃います。ダイニング 海里の料理に使う野菜は、産地直売所に並ぶ野菜から毎日選び、新鮮さを生かした素材感を愉しんで頂けるように調理します。
南あわじでは温暖な気候を生かした「三毛作」と呼ばれる独自の農法が主流。米、玉ねぎ、その他の野菜づくりといった大きなサイクルが続き、土地を何度も耕すことで作物の生育を良くする為の“土づくり”が地の恵みを豊かにしています。また、田んぼ脇には玉ねぎを吊るして自然の風にあてる「玉ねぎ小屋」が建っており、古いものでは日本三大瓦の淡路瓦を葺いた玉ねぎ小屋も残っています。そんな島の原風景を思い浮かべながら作った淡路瓦の箸置きを、皆様のお手元にご用意しています。
淡路島は瀬戸内海式気候と呼ばれる温暖で雨が少ない地域です。そのため農業用水源として約2万3千ヵ所の溜池が築造され、その数は全国の約1割を占め、日本一溜池が密集する地域です。 この溜池の保全の為に、農業と漁業の関係者が協力して水を抜き池底を天日干しする「かいぼり」が毎年島内数ヶ所で実施されています。池底に堆積した養分を海へ放出することで、海の滋養を高め水産物の収穫量を上げるとともに、ミネラルをたっぷり含んだ潮風が陸地へ吹き土地を潤し農作物も育む循環作用が注目されています。
天然の良港をすぐそばに持つ湊小宿ならではの新鮮で繊細な島のアペタイザー。淡路米を使用した炊きたての和風パエリア、海里の恵みをダイナミックに使用したメインディッシュ。燦燦と輝く太陽の光を浴びて育った野菜を随所に散りばめ四季折々の味覚を最大限に活かした島じまんのご馳走の数々を余すところなく五感で愉しむことで、私達の淡路の素晴らしさと出会ってください。
たとえば江戸時代から頑なに守られてきた手延べの技術で作られる淡路島素麺や、百数十年続く島の酒蔵が醸したこだわりの地酒、鳴門海峡で獲れた天然ひじき、淡路島の天然はちみつ、淡路島の海水と海藻だけを使い島に伝わる伝統的な古代の塩づくり技術を元に作る藻塩など、島の逸品を集めたグローサリーや、島の食をテーマにしたラウンジのディスプレイなど、ダイニングでの食体験のみならず湊小宿での様々なシーンを通じて美食の島・淡路島の食文化や風土・歴史に触れるフードツーリズムをお愉しみください。